魔女の一撃に怯える日々、どうも田中です。
海外ではぎっくり腰やぎっくり背中のことを「魔女の一撃」と表現するそうです。
確かにあれは声も出なくなるぐらい痛いです…(今年、背中と腰で2回体験しました)
人のお手伝いをしていたところに一撃くらわせてきた魔女、許すまじ。
さて今回は、魔女ではなくお手伝いの話をしていきます。
塾生はおうちでお手伝いをしていますか?また保護者の方は、段階を踏んでお手伝いをさせているでしょうか?
勉強に使う脳の機能は、日常的な部分から成長に繋がることが多くの実験で立証されていますが、お手伝いもその1つです。
子どもが成長するうえで、「実行機能」の発達は重要と言われています。
実行機能とは、目標を計画的に実行するために欠かせないものです。
例えばこの中には、目の前の状況を把握する能力、順序だてて考え計画する能力、衝動的に行動せずに気持ちを整理したり調整したりする能力、過去の記憶を現状と照らし合わせて判断する能力などが含まれます。
そしてこの実行機能が十分に発達していると、宿題を計画的に行ったり、作業を段取りよく進められたりするのです。
逆に実行機能が十分に発達していないと、「皆が簡単にできていることが難しい」という状態になってしまいます。
実行機能の発達を促すには様々な方法がありますが、家庭の中で身近にできることが家事です。
オーストラリアの研究グループが発表したものによると、自分の食事を作るなどの「自分のための家事」と、誰かに食事を作ってあげるなどの「家族のための家事」の両方が、高い実行機能と有意に関係していると分かりました。
お手伝いをたくさん行っていた子どもたちは、作業を記憶する能力や行動する前に考える能力が高かったのです。
確かにほとんどの家事が、自己の調整、注意の維持、計画、タスクの切り替えなどを必要とし、子どもが手伝うことによって実行機能の発達が促されるのも頷けます。
実行機能の早期発達は、高等教育への参加や成人後の身体的健康・経済的地位の向上とも関係し、相手を思いやる想像力にもつながります。
塾をやっている身でこんなことを言ってしまうのもどうかと思いますが、事実なので言わせていただきますと、いくらお金を積まれたところで直せない部分は確実にあります。
それよりもお金のかからない家事の手伝いによって、直していける部分の方が圧倒的に大事です。根源的な土台作りにおいて、外部の人間ができることは限られるものです。
外部の人間ができることがあるならば、それは「客観視」することでしょう。
家庭の中でのことは、多くは客観視できないものです。我々のような外部の人間は客観視した事実をお伝えするのが1つの仕事でもあります。が、それは突き付けられたくなかった事実でもある為、その指摘をした我々が敵視されることも多々あります。
とはいえ、そのスタイルを変えていくつもりは毛頭ありません。
話がそれましたが、段階を踏みながら手伝いのスキルアップを見守れるかは、大人の寛容な心次第です。
食事のあとの洗い物を自主的に手伝ったものの、舌打ちされて目の前で洗い直しをされ、「そんなに汚い状態で終わりにされたところで手伝いもクソもあったものじゃない」なんていうジャックナイフのごとき言葉を投げられ、二度と洗い物はしないと心に誓って幼少期を過ごしますと、ねじれにねじれた精神をつくりあげてしまうので、そういった方が増えないよう、願うばかりです。
心に負う傷は他人だけでなく、身内からくらうことも多々あります。中村先生のブログにもありましたが、ダメージを受けた心は元には決して戻りません。
以上、「魔女」に育てられし者のブログでした。